アルコーブとは?玄関ポーチと何が違う?

購入したマンションに玄関ポーチやアルコーブが付いている場合がありますが、自由に使ってよいものなのでしょうか?本日はこの点を解説します。

アルコープとは?

アルコーブとは、マンションなどの玄関前にある1㎡~2㎡程のスペースで、玄関ポーチの入り口に門扉が設置されていないものを指します。
もともとは「くぼみ」を意味する言葉です。アルコーブがあると、外からの視線を遮ることができます。
ただし、アルコーブは廊下やエントランスのようにマンションの居住者全員が使用できる共用スペースのため、玄関ポーチとは異なります。

玄関ポーチとは?

玄関ポーチとは、各部屋の玄関にアプローチする場合の独立性を高めるために設置されているスペースで、アルコーブと違うのは門扉がついている点です。
アルコーブと同様に、玄関ドアまでワンクッション置くことによって、プライバシーを守ることができるだけでなく、防犯性も高めることが期待できます。

では、玄関ポーチは、住戸のように入居者が自由に使用してもよいのでしょうか?

玄関ポーチは専用使用が認められる

マンションは、専有部分と共用部分の2つで構成されています。共用部分とは、居住者全員が使用できる場所のことを意味し、廊下やエントランス、バルコニーや玄関ポーチなどが当てはまります。

しかし、共用部分だからといって玄関ポーチやバルコニーに「自分にも使う権利がある」と他の居住者が入ってくると、防犯性が低くなるほかプライバシーを守ることができません。

そのため、これらの場所については共用部分ではあるものの、これらが付帯している部屋の居住者だけが特別に使うことを認められている「専用使用部分」として扱われるのが大きな違いと言えるでしょう。

私物を置く時は要注意

専用使用部分であるということは、自転車や私物を置くなど自分の好きなように使用しても問題ないように感じますが、実際にはどうなのでしょうか?

専用使用部分であることが何に記載されているのか、またポーチとアルコーブでは条件が異なるのかどうかについてみていきましょう。

マンションの管理規約をチェックしよう

専用使用部分であるかどうかは、マンションの管理規約に記載されています。管理規約には、玄関ポーチに「専用使用権」が設定されているかどうかのほか、使用条件についても細かく記載されています。

「部屋の居住者のみが使うことができる」と言っても、使用条件が記載されている場合にはその範囲に限られるため、マンションの管理規約をよくチェックすることが重要です。

では、実際にポーチとアルコーブに自転車や私物を置くことができるのか検討してみましょう。

ポーチの場合

玄関ポーチには、専用使用権が設定されているのが一般的ですが、設定されていない場合もあります。ポーチに専用使用権が設定されている場合は、居住者はマンションの管理規約の範囲内でポーチを使用できます。しかし、玄関ポーチとしての用途に限定されている場合は、物置や好きなものを置く展示スペースとして使用していると、撤去されてしまう場合もあるので注意が必要です。

また、専用使用権が設定されていない場合は、廊下などと同じく共用部分として扱われます。避難経路としてポーチを使用する可能性もあるため、勝手に物を置いて避難経路を塞いでしまうことがないように注意しましょう。

アルコーブの場合

アルコーブは、専用使用権が設定されることがないケースが多いことから、基本的に廊下などと同じく共用部分として扱われます。マンションの居住者全員に使用する権利があるにもかかわらず、独占して使用するということは、集合住宅における近隣住民との円滑な関係を築く妨げにもなるため、勝手な行動をとらないようにしましょう。